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控え杭式矢板護岸の液状化対策検討

概要
港湾護岸の代表例として控え杭式矢板護岸を対象に、液状化流動対策を検討した例です。
SCPによる締固め工を想定し、改良幅をパラメータとしてケーススタディを行った結果、必要改良域は従来の設計法
よりも小範囲で十分であり、より経済的な施工が可能であることが判明しました。

必要改良範囲の比較
     従来設計 = 海側:60m、陸側40m
     本検討例 = 海側:20m、陸側40m
解析条件
 
  地震波
想定地震動:八戸波,PI波
最大加速度:350gal(基盤入力)

  液状化抵抗率FL計算
計算手法:累積損傷度法
液状化対象土層:
  Yu-s1(層厚5m、RL20=0.295)
  Yu-s2(層厚10m、RL20=0.259)

  液状化時の低下剛性
安田・稲垣の式を適用

  液状化後の沈下
石原・吉嶺の式による

  改良工
工 法:SCPによる締固め工
改良率:10%と仮定(RL20=0.400)
解析手順
 
  1)初期(常時)応力解析
地震前の現況地盤応力を求める
  2)地震応答解析
地震時の応力時刻歴を得る
  3)液状化抵抗率FL計算
2)の時刻歴ファイルより累積損傷度法にて
各FEM要素のFLを算定する
  4)残留変形解析
3)のFL分布を用いて液状化流動、および、
過剰水圧消散に伴う沈下解析を行い、残留
変形を求める
  5)ケーススタディ
改良範囲を変更して1)〜4)を繰り返し、
最適な改良範囲を検討する
解析手順フローチャート


解析モデル
地盤は弾塑性体(MC-DPモデル)でモデル化

土質ブロック図



残留変形解析結果:未対策ケース
未対策ケースのFL分布図
液状化抵抗率FL値分布図
未対策ケースの液状化流動変形
残留変形図




残留変形解析結果:対策後(SCP改良幅:陸側40m、海側20m)
改良時のFL分布図
液状化抵抗率FL値分布図
改良時の液状化流動変形図
残留変形図


  ケーススタディによる検討結果

右図は海側の改良幅をパラメータとしてケース
スタディした結果の一例です。改良幅20m以上
では残留変位量は大差無いことが解ります。
未対策時の残留水平変位は約120cm、陸側のみ
の改良では40cmと陸側改良による効果が
顕著でした。



矢板天端の残留水平変位と改良幅の関係
矢板天端の残留水平変位と改良幅の関係



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