- 概要
- 道路盛土を対象に、大規模地震時(レベル2タイプT相当)の残留変形(沈下)をALID/Winで解析した例です。
FL分布の算出方法による違いを次の3ケースで比較しました。
ケースA : 道路橋示方書の判定式
ケースB : 地震応答解析結果から地震時せん断応力比を求めて判定(道路橋示方書準拠) ケースC : 地震応答解析結果から累積損傷度法を用いて判定
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- 解析条件
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- 想定地震動
- レベル2タイプT相当:地表面で340gal
- 盛土規模
- 高さ:5.0m
敷幅:25.0m
- 液状化物性
- 液状化対象層:AAs層
層厚10.0m、RL=0.278、Dr=54%
- 液状化時の低下剛性
- 安田・稲垣の推薦式
(RLとFLから低下剛性G1を推定)
- 液状化後の沈下
- 石原・吉嶺の式による
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- 解析手順
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- 1)常時応力解析
- 地震前の現況地盤応力を求める
(堤体施工過程のシミュレート)
- 2)地震応答解析
- 地震時の応力時刻歴を得る・・・『ADVANF/Win』
- 3)液状化抵抗率FL計算
- 液状化抵抗率FLは、要素毎に算出
ケースA,Bは『ALID/Win』の自動計算機能による(道示準拠)
ケースCは『EXCESS/Win』にて算出
- 4)液状化流動・残留沈下解析
- 3)のFL分布を用いて液状化流動、および、過剰水圧消散に
伴う沈下解析を行い、残留変形を求める
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- 解析モデル
- ・盛土と地盤は弾塑性体(MC-DPモデル)でモデル化
・モデル化範囲:盛土を中心に左右40m。
ただし、解析時には側方に60mの付加地盤を付与(ALID/Win独自の機能)
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土質ブロック図 |
FEMメッシュ分割図
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ケースA結果図(道路橋式によりFLを算定した場合)
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ケースA液状化抵抗率FL値分布図 |
ケースA残留変形図(沈下分布図)
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ケースB結果図(地震応答解析から求めた地震時せん断応力比を用いてFLを算定した場合)
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ケースB液状化抵抗率FL値分布図 |
ケースB残留変形図(沈下分布図)
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ケースC結果図(累積損傷度法によりFLを算定した場合)
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ケースC液状化抵抗率FL値分布図 |
ケースC残留変形図(沈下分布図)
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比較結果
- ・この解析例では累積損傷度法を用いたケースCの盛土沈下が最大となりました。
解析ケースとFL算定方法 |
堤防天端の最大沈下量 |
ケースA : 道路橋示方書式 |
236.8cm |
ケースB : 地震応答解析+道示式 |
185.7cm |
ケースC : 地震応答解析+累積損傷度法 |
243.6cm |
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